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京都 梅だより

京都はんなり 梅コラム  ~日本人の食と梅を中心に~

「食と梅」をテーマに、管理栄養士の馬場喜保子さんに梅にまつわるレシピなどをご紹介いただきました。

梅干しの梅酢

身近なものとして暮らしの中に存在してきた梅干し。昨年は申年ならではの縁起のいい申梅を使って、梅干しを仕込みました。
日々なじませて2週間目、梅が浸るほどに『梅酢』が上がってきます。

漬け始め

梅酢上る。漬け始めから2~3日後に赤じそを加えています

『梅酢』は梅干しを漬けたときに自然に出てくる液体です。
この梅酢に注目してみます。昔から下痢止めやうがい薬として使われてきました。食あたりでおなかの具合が悪いとき、お水に梅酢を数滴落として飲んだり、逆に便秘のときに飲むと、腸のぜん動運動をよくし整腸作用があります。また、うがい薬として、のどの痛みをとって風邪を予防したといいます。
梅酢には、天然のクエン酸やリンゴ酸、ポリフェノールといった有機酸が豊富に含まれ、醸造酢と違って酢酸を含みません。市販の酢とは異なる別のものです。
梅の酸味のもとになるクエン酸には、体が疲れの原因のもとで筋肉や血液に蓄積した「乳酸」を分解し、体の外に追い出して血の流れをきれいにしてくれる働きがあります。

【梅干の土用干し】漬けて1ヵ月。梅雨が明けて、晴天続きの土用のころに天日干しに

梅酢とよく合うメニュー

梅(梅酢)に含まれる有機酸(クエン酸など)には、唾液の分泌を促す効果もあります。唾液には酵素が含まれていて、よく噛んで食べない場合や唾液の分泌が少ないと、口腔内は汚れやすく、病気にもなりやすいといえます。唾液がたくさん出る人はお口の中が汚れにくく、免疫力もアップし、病気にもなりにくくなります。また日本人に不足しやすい栄養素、カルシウムと結びつきやすく、腸からその吸収を高める手助けをします。

『梅酢』は砂糖と合わせてすし酢にしたり、ドレッシングの材料にもなりますが、単独で使っても美味で万能な調味料。そもそも梅酢には塩分も含まれますから、素材を選べば自然な味に仕上がります。手軽に食生活に取り入れてみてもOKです。

いわしの梅酢煮

モロヘイヤの梅酢和え

すりおろしれんこんに梅酢を練りこんで蒸したれんこんもち

長いもの梅肉和え

梅干しの諺(ことわざ)と歳時記

「二日酔いに梅干し」

梅干しには、疲労物質の乳酸のみならず、肝臓や腎臓の解毒作用を助け、アルコールの分解を早めて、老廃物をカラダの外に出してくれる働きがあります。

「夏負けに梅干し」

梅干しの殺菌作用が胃腸の働きを整え、夏バテを予防し、疲労回復を助けてくれます。おむすびに梅干し一個。梅干しは天然の防腐剤としても貴重な存在です。

「梅干し食べると一日難逃れる」

夏の京都、祇園祭にこしらえる神輿弁当。竹の皮に包まれ、梅干しとたくあんだけが添えられ四角い飯に黒胡麻が散りばめた簡素な弁当です。無病息災と安産の霊験があり、すこぶる美味です。

~~はんなり梅しそかつ~~ 疲労回復に効果的な一品

梅しそカツ。たっぷりの大根おろしとポン酢で

こちらは梅しそカツの材料

1)梅肉(梅干し)をヒレ肉にすりこんで大葉をはさみ、小麦粉、卵、パン粉をつけて揚げています。
2)大根おろしをたっぷり添えて。
3)糖質の代謝を助けてくれる豚肉のビタミンB1とともに疲労回復できて活力出る一品です。

※このコラムは、社会福祉法人十条龍谷会ビハーラ十条の管理栄養士 馬場喜保子さんの監修で作成されています。


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