甘辛カリッと香ばしい細麺は、卵を絡めるとまろやかに変化します。思わず唸るうまさに、う～マンボ！　マンボウみたいに丸々ぼてっとした見た目にも自然と笑みがこぼれます。こちらは、元祖まんぼ焼のお店。具材を細かく刻むのは、お子さんもお歳を召した方もみんな楽しめるようにと、お店に代々続く気配り。繊細な味の秘密でもあるようです。昔なじみの味を継承しつつ、水や具材の鮮度を極める。鉄板台を託された者の誇りを感じました。

八条河原町の側道脇にお店を構える『よりみち』さん。小柄なお母さんと、対照的にがっしりした息子さん。お二人の人柄そのままのお店は、タッパ持参でおでんをすくう方、ビールを出して栓を抜く方、まるで勝手知ったる家庭の食卓よろしく笑い声が絶えません。お好み焼きは、キャベツの甘味と特製ソースの旨みが、もちっとしたおうどんに絡んで、お腹も心も満たしてくれます。次回は、すじカレーそばであったまろ！

河原町塩小路西のなかがわさん。鉄板の上には、お好み焼きのこんもりとした山が次々並びます。ジューッと音を立てる鉄板に芳しい香り、お客さんと冗談を交わしながらも休む間もなくコテを操るお母さん。こちらの持ち味は甘味を利かした特製ソース。毎朝仕入れるというプリップリのホルモンは、やわらかな生地との相性抜群で、噛みしめるほどに旨みと元気がしみ出ます。だし醤油でいただくネギ焼もお忘れなく！

五条大宮そばに代々続く三喜さん。オリジナル焼酎のボトルキープ数にも、その人気ぶりがうかがえます。この春お店を任されたという店長は、若き三代目。お馴染みさんに人気の秘伝ソースを継承しつつ、しっとりふっくら焼ける一手間加えて、ご新規さんの胃袋もガッチリ！居酒屋メニュー豊富で、甘辛ジューシーな『こけこっこ焼き』は外せない一品です。

壬生川花屋町下ルにお店を構えて六十年以上、たくさんのファンを抱える『やすい』さん。新年会はここに集合！なんて、会社ぐるみで利用される常連さんも。広げた生地にキャベツと具材を盛り付けて、卵で旨みをジュ～と閉じ込める、いわゆるベタ焼風。ソースは甘・辛お好みで、呑ん兵衛にはピリリと辛いソースがたまらない。さすがアカ発祥のお店です。

松原通西洞院東、招き看板でお馴染みの『竹』さん。多くは電話予約でお持ち帰りという、冷めても旨いと評判のお店です。油に具材はもちろん、青のり一つも厳選されて、香り高く、若草のごとくお好み焼きを彩ります。京を離れても、この味を求めて訪ねてこられるお客様も多いそうで、移り変わりの世間にあって、いつも傍にある味を大切にされています。

五条通に行列を作るふくいさん。教えてもらったのは“男気”と“さらっさら”。男気は質と量、さらっさらは清潔な店内。原料高で苦しい時も、くったくたで仕舞いたい時もお客さんからの『ご馳走さま』が一番うれしいと女将さん。常連さんも、お忍びタレントさんも、ついつい自分ごとのように自慢したくなる所以です。