身が締ったら食べ頃の活鰻にとって、生簀の水は欠かせない。松原通西洞院東入ルの『ふなもと』さんは昔っから井戸水を使う。阪急電車の地下化で一時は枯れた井戸を、80メーター近くも掘り下げたそう。京都を囲む山々から地中へ、長い歳月かけてろ過された良質な水が、鰻の肌にも合うようです。蒲焼丸々一本は食べられないご家庭には、冷めても美味しいごはんに甘ダレしみる『うなぎ弁当』がおすすめです。

七条七本松上ルの『舞坂』さん。創業以来、栄養豊富な鰻を多彩な料理でもてなす、美味しいもんで元気に！を継承するお店。年々数を減らし希少さを増す鰻。安全で美味しく、かつ満足度の高い料理を提供するには、何より経験と技が問われます。鰻御膳は、そんな経験と技を宿すにうってつけ、手間ひま惜しまずこだわり続けて、今日の舞坂があると言います。お得ランチから法事・会社の宴会まで多彩なシーンで利用できるのも魅力です。

子供は繊細で敏感。『七條鮒定』さんの鰻やないと食べへん。そう言ってお孫さんに鰻を買って帰るお馴染みさん。大切な人といただくご馳走だからこそ、いいもんを売らんといかんとご主人。創業明治20年、羽束師辺りにフナやどじょうを商う市がにぎわっていたという、そんな昔から、継ぎ足し継ぎ足し受け継がれた甘ダレも芳ばしく、薄皮一枚で今にも崩れそうなほどふっくら焼きあがった鰻の蒲焼。お孫さんが頬張る様子が浮かびます。