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行ってきました!会ってきました! 京都市下京区・東山区ってこんなところ

クリエイターを育成する就労移行支援施設を取材してきました!

障がい者の目線を活かした下京の観光ハンドブックが出来ました!

今の時代、仕事で求められる業務やスキルはどんどん増えていきます。
そういった技術面だけでなく、コミュニケーションやマナーなどの人とのやり取りも大切です。
これら全てを完璧にこなしているという人は中々居ないのではないでしょうか?

今回、そんな難しいことを障がいのある方でも出来ると、「誰だって働ける」を実現しようと活動されている、CRAワークサポートセンターという施設があると聞きました。
おまけにそちらでは最近、下京区の観光ガイドブックを作成されたとか。
どんな活動をされている方々なのか、インタビューしてきました!

CRAワークサポートセンターってどんな団体?

ワークサポートセンターの皆さん
ワークサポートセンターの皆さん
CRAワークサポートセンターとは、NPO法人クリエイター育成協会が運営する就労移行支援事業所です。
就労移行支援事業所とは、障がいのある方の一般企業への就職をサポートする通所型の福祉サービス事業所です。とりわけCRAワークサポートセンターでは、グラフィックデザイン、Webデザイン、Webサイト制作のためのプログラミングなどに特化した訓練を行っています。

その訓練から生まれた成果物である『歩いて散策 下京観光ハンドブック<秋編>』は、「京都市下京区区民が主役のまちづくりサポート事業」の補助を受けて誕生しました。今まであるようでなかった、障がい者の視点から見た京都観光ガイド。
作り手が障がい者だからこそ気づくことができた様々な「こんなこと」が網羅されています。
今回、CRAワークサポートセンターにお邪魔して、ハンドブックの企画から完成までの経緯についてインタビューしてきました。

始まりは2年前。障がいのある方向けの就労移行支援事業として

普段の授業風景
普段の授業風景
普段の授業風景
普段の授業風景
どうしてCRAワークサポートセンターを立ち上げられたのですか?
平成27年4月1日から、運営母体のNPO法人クリエイター育成協会が、健常者だけでなく障がいのある方にも勉強する機会を提供できる場を作りたいという考えで始まりました。
スタートしてから2年半が経ち、今では20人ほどのメンバーが在籍しています。

■こちらは就労移行支援事業所ということですが、どちらかというとSEを育てる学校のような感じがします。
それはよく言われます。いわゆる作業所みたいな感じにはしたくなかったんです。
現在の福祉の仕組みでは、障がい者の就労移行を国や市から認可を受けて行っていて、大半の事業所は作業所的な場所が多いと思います。
CRAワークサポートセンターは手に職をつけてもらい技術を身につけてもらう場所なので学校をイメージした空間作りをしています。


■実際に仕事を一部手伝いながら勉強もしているとか。
そうですね。ある程度基礎的なところは教科書等を使って勉強していただきますが、教科書を見ただけではなかなか経験が得られません。
ある程度力がついたら、実際にCRAワークサポートセンターや関係組織が抱えているお仕事を手伝う形で実践してもらい、実務経験を重ねてもらっています。
手伝ってもらうのは主にデザインやWebサイトの製作など、そういったことを中心に取り組んでいます。

■どのような方が在籍されていますか?
一番最初に通所を開始された方はパソコンが苦手で全く使えないけど、ただ、絵を描くのが好きだという方でした。
他には一度就職してから行き詰まって辞めたけど、この業界の仕事に就きたいと思って一から学びにきたという方など様々な方がおられます。
皆さんの経験の度合いとしては、プログラミングなどは元々されていた方もいらっしゃるので、全くの未経験者と経験者の半々ぐらいの割合です。

一からのプロジェクト。毎日が「気づき」の連続

記事の内容を皆で相談中
記事の内容を皆で相談中
お店に足を運んで取材中
お店に足を運んで取材中
『歩いて散策 下京観光ハンドブック<秋編>』のことをお聞きします。最初はどこから始めていったんですか。
まず、スケジュールから決めていきました。秋の観光シーズンだからいつ頃配布すれば良いのか、カレンダーに書き出してから取材班、広報班、デザイン班と3つの役割分担を決めてから、掲載内容について一からみんなでアイデアを出し合いました。
一番初めに動き出したのは取材班で、話し合った内容を基に決めたロケーション巡りを行いました。車椅子のメンバーに必ず一緒に行ってもらって、この道は通りやすいかとか、あのお店は入りやすいかとか、実際に見て回って調べていったという感じですね。

■実際に回った際はどんな苦労がありましたか?
車椅子パンク事件というのがありました。車椅子がパンクするとは知らず、直すのにすごく時間がかかりました。
助成金の申請をして、それから車椅子の専門業者さんに頼んでと、車椅子利用者の苦労を初めて知りましたし、車椅子の方と一緒に行動すると、広い道でもやっぱり車が多いところだと通りにくかったりするし、危ないなと思うところがありました。
また、良いお店だなと思って行っても、入り口に段差があって、取り上げるべきか迷ったお店もありました。

■そして取材が終了して、後は中の作業に全員で専念という感じですか?
お店へのアポイントが中々取れず、中と外の同時進行でしたね。
一件アポイントが取れたら、事前に質問内容を整理しながら、同時進行でまた新たにアポイントを取っていたので、当時はバタバタでしたね。
誰がどのお店に伺って、次のお店は誰が担当するのか。
とにかく時間の使い方が難しかったです。

ぜひ一度手にとって見てください!

ぜひ手に取って見てください!
ぜひ手に取って見てください!
ゼロから作り出すということを始めて経験されたワークサポートセンターの皆さん。
とても苦労されたことがひしひしと伝わってきましたが、多くの学びや経験が得られたようで、また同じようなことをやりたいと、これからに向けてやる気がみなぎっていました。

ともあれ今回作成された『歩いて散策 下京観光ハンドブック(秋編)』は、最終的には納期どおりに完成して、今は下京区の各スポットで配布されていますので、ぜひ一度手にとってご覧になってください!

CRAワークサポートセンターについて

名称 CRAワークサポートセンター
所在地 京都市下京区七条油小路東入る大黒町227第二キョートビル6F
電話番号 075-746-6168
利用対象 軽度の身体障害、精神障害、知的障害のある方
利用定員 20名
開所時間 月曜日~土曜日(日・祝休み)9:30~16:30
事業内容 就労移行支援事業
詳細 CRAサポートセンターの公式サイトはこちら