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佛光寺さんの野菜市場通信

第7号 食べるって大事

食育を貴方の食生活の基本に!

食べるって大事

 

 今回のコラムは食育について。前回までのコラムは、京野菜の事や九条ねぎの事を述べてきましたが、では、何故?京野菜や九条ねぎがテーマになるのかと言うとそれは、原点に食育と言う考え方があるからです。

食育と言うと「抽象的でわかりにくい」「お堅いイメージ・分かりにくい」というイメージがあります。確かに私自身もそう思っていました。

でも、よく考えてみると、食べるって命をつなぐ基本です。基本が疎かになると様々な弊害を生んでいきます。分かりやすく言うと、貴方の身体、健康は貴方の食べる物で作られています。もっと分かりやすく言うと、貴方の食べる物で病気を引き起こす原因になると言う事です。病気だけではありません。食べる事を疎かにすると、人間関係や生活環境にも悪循環をもたらします。

 

 特に幼少期のこどもたちの食は重要です。生まれてから死ぬまで人間は食べずには生きられません。そのスタートとなる、こどもの食は親の食に対する考え方がその子の人生を左右すると言っても過言ではありません。

そこで、食育、食べるって大事をテーマに詳しく述べたいと思います。

食育とは?食べるって大事。

 

 食育とは、子どものころから「食」の大切さや正しい知識を学んで、自分で考え、健全で豊かな食生活を送れるようにするための教えといわれています。食生活の乱れは、こどもたちの肥満や痩身、体力低下を引き起こし、様々な病気の原因、ひいては学力低下や非行問題などあらゆる原因につながります。食を見つめ直すことが、明るく楽しい家庭をつくり、こどもたちの豊かな未来へとつながって行くのです。

 

 近年、食を取り巻く環境は大きく変わってきています。急速に豊になった社会、食べ物が溢れ”いつでも””どこでも””子どもでも” 簡単に24時間食べ物を買う事が出来、食に関する情報も氾濫しています。そのような中で、食事は、米中心の食生活から肉類、油類の多いものになり、また、外食や加工食品などを利用する回数が増えるなど、簡便化が進んでいます。氾濫する食情報に、かえってかたよった食事をする人が出てきたり、若い人たちを中心に、朝食をとらない、過度のダイエットをするなどの問題も見られます。
 そして現在の日本では、栄養バランスの崩れなどから、大人から子どもまで生活習慣病の予防が課題となっており、 食料の海外依存の増加、食べ残しなどに伴う食料資源の浪費など、私たちの食生活のあり方は、たくさんの問題をかかえています。
また、コンビニエンスストアや外食のチェーン店の増加、スーパーマーケットの増加で、全国何処へ行っても似たような食品がならび、年をおう事に旬が分からない一様化の時代になって来ています。さらに、伝統的な食文化が消えていくことも残念なことです。
そこで、明治期に食の重要性を説いた食養医学の祖とされる石塚左玄や、小説家の村井弦齋は「体育も智育も才育も、すべて食育であると認識すべき」「小児には、徳育よりも知育よりも、体育よりも、食育が先。体育、徳育の根源も食育にある」と記しています。
では、具体的に食育で何を学んで行けばよいのでしょうか?

食育を学ぶ・実践する7つのポイント

 

1 栄養バランス・生活習慣リズムを見直しましょう

 

 毎朝、しっかりごはんを食べてますか?食生活が乱れると、健康のリズムも乱れ、体調の悪化や病気を引き起こす原因にもなります。毎日の規則正しい食生活や栄養バランスのとれた食事を心がける事が大切です。

 

2 食事の前の挨拶やマナーを見直しましょう

 

 いただきます!ごちそうさま!美味しかった!ありがとう!の一言が、先ず食べ物への、作ってくれた人への礼儀です。その一言がとても大切。この単純な事が出来ない世の中なので改めて挨拶を身につけましょう。挨拶ひとつで、周りの人が和むのです。和むと、いい循環が生まれます。

 

3 家族団欒・仲間団欒の食事を大切にしましょう

  

 人類は食事を家族や一族と共にする事から進化を遂げたと言っても過言ではありません。食事を共にする事でコミュニケーションが生まれ、思いやりや気配りまた仲間意識が生まれたのです。人間は一人では生きる事が出来ません、家族や仲間の絆があってこそ社会や国、世界が平和になるのです。

 

4 食べる事が出来る感謝の気持ちを忘れずに

 

 食べ物への感謝、自然への感謝、作っていただく人への感謝。感謝の心は人間関係の基本中の基本です。物事に感謝の意を示す文化・風習は日本人の誇るところです。ありがとう!感謝します。その一言がどれだけ大切なのか、改めて見つめ直しましょう!
 

5 安心・安全・美味しい食を選択しましょう

 

 食品偽装や産地偽装、はたまた、化学薬品まみれの食品や農薬がたっぷりかかった野菜、抗生物質まみれの餌を食べた魚や鳥、牛、貴方の健康を脅かす食品が氾濫しています。貴方の食べる物で貴方の身体が作られている事を忘れずに食生活を考えてみましょう!

 

6 地域の伝統的な食や食習慣を大切にしましょう

 

 地域には昔からの伝統的な食や食習慣があります。それぞれの違いが豊な文化を生み出し、発展の礎となって来ました。多様な文化こそ社会や国の発展の原動力です。今一度、自分たちの住む町の伝統を大切にしていきましょう!

 

7 食料を取り巻く環境に配慮しましょう

 

 フードマイレージ、フードロス、貧困による食べられない子どもたちの増加、災害時への備え。すべて環境や地球環境の負荷を考慮する事が大切です。周りの人々への配慮の積み重ねが 食料事情改善へつながります。

 

最後に

 

 食べる事を大事にすると、生活や人生にいい循環が生まれます。食を通じて、味覚・触覚・聴覚・視覚・臭覚が磨かれ、多様性を生み出します。多様な社会は豊な社会の象徴です。多様性が失われつつある現代の日本社会。

食を再発見することで多様で楽しい社会を創っていければいいですね!

                                    (文:竹田 勝幸)

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